R6年9月号

「肥後こまの未来(最終地点)」

佐藤 興一郎

 肥後こまを制作し始めて5年が経ちました。技術の向上を目指して、コツコツと努力を重ねてきました。原木集め、機械道具の準備、旋盤の使い方、刃物の研ぎ方、芯の取り方、絵付け、バランス取り、形作り――どれも習得には時間がかかりました。ただ一つ言えるのは、こまを作れば作るほど学びがあり、技術が向上するということです。『成功より成長に拘る』という思いで挑戦してきました。

 6年目に入り、ようやく納得のいくちょんかけを作れるようになり、皆さんのもとへ届けられるようになってきました。技術向上にあたりご指導いただきました東師匠をはじめ、保存会の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

 

 

私の大きな夢は、肥後こまの技で人々を魅了し、熊本県の名産品にすることです。それにはメディア、YouTube、SNS等を駆使した広報活動が重要だと考えます。伝統を守りながらも、デザインや回し方、衣装、見え方を工夫することで、さらに魅力を高めたいと思います。この考えを進めると、ますますワクワクします。

 回す技術、作る技術を未来に残すために、今後の活動を是非ご支援いただけましたら幸いです。