H29年4月号

“故きを温ねる” ―会員名簿にみる保存会の歩みー

 顧問 吉永 砂夫 

 

「温故」、このことばは、これまで何度も聞かれたことでしょう。論語 に、「子日、温故而知新。可以為矣。」(故きを温ねて新しきを知る。以て師と為るべし。)とリーダー論がかかれています。ここでは、リーダーのあり方はなく、コマを楽しむものの一人として、会員名簿から保存会の名称の歴史をたどってみました。

昭和44年(1969年) 1月3日の保存会結成時は「肥後独楽チョンカケ保存会」です。会員数49人(昭和43年10月の名簿による)。

昭和47年(1972年)4月には会員数19人。名簿には「肥後チョンカケ研修保存会」とありますが、会則名との齟齬があり、少々の乱れがみられます。  昭和50年(1975年) 2月、肥後ちょんかけ技術が熊本市の無形文化財指定を受けた時の名称は「肥後ちょんかけ保存会」で、会員数19人。複数の現会員の名前がみられます。

平成7年(1995年) 4月の名簿では、会員数55人「肥後ちょんかけごま保存会」となり、現在に至っています。  相当の努力、エネルギーによって、熊本市長さんら名士多数御参加の「お城まつり チョンカケ大会」が開催され、つづいて保存会の結成からやがて50年、時々の会員の皆さんの支えで、ちょんかけの技は確実に保存・継承されてきています。

今後は、保存会としても個人としても、コマを楽しむことを基盤に活動が続けられたらと願っています。活動の中心はちょんかけの技の保存ですが、総合的活動として、コマの歴史を探ったり、他県や外国のコマに関心を持ったりなどはどうでしょう。「これを知る者はこれを好む者にしかず。これを好む者はこれを楽しむ者にしかず。」(雍也篇)まさにその通りだと感じています。